時代劇に登場する「お屋形様」と「殿様」という言葉には、一体どんな相違点が存在するのでしょうか。多くの方が耳にしているこれらの言葉ですが、戦国時代を描いたドラマや映画では、それぞれ独自の由来や意味合いを持っています。
たとえば、武田信玄公が一般の「殿様」と呼ばれることは少なく、なぜ「お館様」として親しまれているのか、ご存じでしょうか？
武将と大名の称号の違いについて
武将や守護大名に対して贈られた称号「お館様」は正しくは「お屋形様」と言います。この称号は室町幕府に対して特筆すべき貢献をした有力な武将たちに与えられていました。名高い武田家（甲斐）、今川家（駿河）、毛利家（安芸）などがその例ですが、織田家や徳川家（松平家）はこの称号を授かっていませんでした。特に信長や家康が台頭する時代になると、この屋形号はその重要性をほとんど失っていたと考えられています。
一般的に、武家社会において主君は「殿」や「殿様」と呼ばれることが多かったです。しかし、屋形号を足利将軍家より授かった大名は、「御屋形様」という特別な尊称で呼ばれることが定着していました。この屋形号を持った大名やその家族には、一定の敬意を表する特有の呼称が用いられており、「上様」、「御裏方様」、「新屋形様」といった尊称が使用されるのが通例でした。
屋形号の授与権は元々将軍が持つものでしたが、やがて足利満兼が鎌倉公方としてそれを関東地方の大名にも与え、「関東八屋形」という体系を築きました。この称号は、足利一門、守護以上の地位にある者、幕府の要職に就く家、そして幕府の設立に顕著な貢献をした国人領主などにも与えられていました。
- 殿様と親方様（お屋形様）の明確な差異
- 概要：殿様と親方様（お屋形様）の相違点
- 殿様と親方様（お屋形様）の詳細な違い
●大名（だいみょう)＝簡単に言うと殿様。難しく言うと一万石以上の禄高のある武家
●封切（ふうぎ)り＝新しい映画を一般客に公開すること。以前、フィルムを缶に入れて運んでおり、公開時にその缶にしていた封を切って開けていたことによる— mash🧞♀️💩🗿❤︎ (@mashlinelive) August 30, 2019
ちなみに「お館様」は住んでるところが城じゃなくて館だった人に使われてたらしい．武田信玄はどっちも使えると言えば使えるが，「お屋形様」のほうが好ましい…
— イオリン (@Iorin0225) March 17, 2010
まとめ：殿様とお屋形様の違いについて
「お館様」とは、領地を統治する国主や守護などの高位貴族または大名を指す称号であり、同じく「御屋形様」とも称されています。豊臣秀吉が天下を手中に収めるころ、これらの言葉は徐々に使われなくなりました。
「殿」とは、主君や高貴な人物に対する敬意を表す敬称であり、江戸時代になると大名や旗本にも用いられるようになりました。例えば、武田家や今川家のような守護大名は「お館様」と呼称されることがありましたが、伊達政宗や織田信長のように正式な守護でなかった場合、しばしば「殿様」と呼ばれました。信長が足利義昭を追放した後、彼は「上様」とも呼ばれたことがあります。
守護大名は一般に「御館様」と称され、その配下にあたる武将は「殿輩」とされ、「殿輩」は上位の武将を意味します。さらに、「上様」は本来は天皇に対する敬称であり、武家政権が成立すると将軍に対する呼称として使われるようになり、江戸時代には特に将軍を指す言葉として定着しました。
「御屋形様」は家系の棟梁を意味し、家の統率と存続の責任を担う人物のことであり、棟梁は家の代表として「屋形」とも呼ばれます。また、「殿」は家や古い時代を指す呼び方でもあります。戦国時代や安土桃山時代に武家組織が成長すると、「殿」という言葉は一般的に用いられ、大型の建築物を意味する用語としても使用されるようになりました。
室町時代には、守護大名として任じられた人々は「お屋形様」と呼ばれ、足利将軍家やその重臣たちが功績を挙げた地方の領主に「屋形号」を授ける権限がありました。屋形号を得た者は、宮中の儀式において特別な装束の着用が許され、世襲制の地位として知られていました。武田信玄や今川義元などが「お屋形様」として名高いですが、松永久秀や織田信長のような守護大名を奪った人物は一般に「殿様」と呼ばれました。
室町幕府が崩壊した後も、屋形号はいくつかの有力な大名家に与えられ続け、徳川将軍家をはじめとする御三家やその他の守護家系に受け継がれていきました。
