小学校における修学旅行は、子どもたちにとって生涯忘れられない特別なイベントと言っても過言ではありません。私が小学校の6年生のクラスを担任していた当時、修学旅行に向けての子どもたちのわくわくした様子と、それに向けた一生懸命な準備を目の当たりにしました。その姿は非常に心に残っています。
このような大切なイベントを、子どもたちには存分に楽しんでほしいというのが、私たち親の願いです。一方で、子どもたちが初めて経験する修学旅行には、親子共に不安がつきものだと思います。子どもたちが家を離れるということで、「もしかしたら何か足りないものがあったらどうしよう」という心配が付きまとうのは自然なことです。
以前、5年生の林間学校でうまくやってきたと自信を持つ親御さんがいらっしゃいましたが、はっきりとしたことをお伝えしておきますと、林間学校と修学旅行は全く異なるものなのです。
例えば、林間学校は共同生活を通じて目標達成を目指すという側面が強く、キャンプや山登りといったフィジカルにも挑戦する活動が中心です。一方で、修学旅行は卒業を控えた記念すべき一時を彩るために、ホテルでの宿泊や文化体験を楽しむ機会が多く提供されることから目的が異なるため、持ち物リストにも微妙な変化が生じるのです。
こういったことから今回は、小学校の修学旅行で持っていけば役に立つアイテム、また後悔しないための持ち物選びのコツを皆様にご紹介したいと思います。
修学旅行の持ち物リストについて
小学生が修学旅行に行く際、絶対に忘れてはいけない持ち物があります。それは、各学校の先生方が注意深くリストアップした「しおり」に記されたものです。泊りがけの宿や訪れる商店などを踏まえ、複数の先生が精査を重ねた上でまとめられていますから、しおりに書かれた持ち物は間違いなく準備をしましょう。
通常、「リュックサックに入れるべきアイテム」と「ボストンバッグに収めるべきアイテム」に分けて書かれています。修学旅行に向けては、通常、予め開かれる説明会がありますので、疑問や不明点はその場で積極的に尋ねることが大切です。説明会はそのためのものですし、先生方も質問を歓迎されますので安心して活用しましょう。
小学生の修学旅行に便利な持ち物リスト
子供たちの大冒険、修学旅行の際にあると役立つアイテムをピックアップしました!いくつかは学校からの案内にも書かれているかもしれませんね。
保温・防水アイテムの重要性
多くの方が既にご存じかもしれませんが、修学旅行を迎える時期は、しばしば季節の移り変わりにあたります。学校によって差はありますが、修学旅行で訪れるのは山や海のように気渑おみの差が大きい場所が多く、予想以上に気温が下がることがあります。ほんのりと肌寒さを感じた私も、教育者である私自身が寒さに震えた経験があります。
ただし、バスの中やホテルの部屋などは暖房が効いているため、着たり脱いだりが容易なパーカーやコンパクトに畳めるウィンドブレーカーなどが最適です。さらには、もしもの状況に備えて(訪れることを願ってはいませんが)、目立つ色のアイテムを選ぶのも賢明な選択です。
女性の生理用品について
小学校高学年の女の子にとって、生理はすでに始まっていることが多いでしょう。生理がまだ始まっていない子どもたちもいますが、いつ生理が始まるかは予測できませんので、常に準備しておくことが大切です。小学生の身体は成長過程にあり、生理周期が不安定なことも珍しくありませんので、いつも生理用品を携帯させるようにしましょう。
実際に私の経験では、ある日の社会科見学で、同じ学校の他のクラスの女の子から「突然生理が始まってしまった」という相談を受けたことがあります。たとえ1泊2日の行事でも、「きっと大丈夫だろう」と過信せずに、生理用品を持たせて支えてあげることが重要です。
また、もし担任の先生が男性である場合、生理のことを話題に出しにくいかもしれません。この点については、親御さんが配慮して、必要なサポートをするよう心掛けてください。
小学生の頃、修学旅行の持ち物のところに生理用品って書いてあって、質問ある人?って先生が言った時に手をあげて聞いた記憶が蘇ってきた
— リト 114回組 勝 (@study_everydayo) April 7, 2024
GPSの取り扱いと学校のルール
携帯電話やスマートフォンの所持が許されていない学校は少なくありません。ただし、遊びに走る可能性が低いGPSデバイスについては、積極的に禁止する学校はあまり目立たないようです。
時には学校側からメールで生徒の居場所を報告してくれることもありますが、保護者にとって実際に子どもの居場所をリアルタイムで把握できるのは非常に心強いものがあります。
修学旅行はもちろん、日常的な学校生活での持ち歩きが許されるという点に、大きなメリットを感じます。私が子どものころには想像もつかなかったこの技術ですが、最近では様々な心配ごとが頻繁にあるため、GPSデバイスを携行させることで多少なりとも安心することができるでしょう。
ショッピング必需品:エコバッグと小分け袋の活用術
手に入れたいものを求めて複数の店を渡り歩く際も、エコバッグがあれば買い物がぐっと楽になりますので、エコバッグを何枚か準備すると便利です。ぜひ活用して、旅行のお土産の買い物をもっと快適にしましょう。
さらに、持ち運ぶ際の小袋としてもポリ袋やレジ袋は非常に便利。このような袋は以下のような使い方ができます:
- 汚れたものの一時保管に役立ちます。
- 数枚重ねれば、エチケット袋としても使用できます。
- すでに購入したお土産を保管しておくのに使えます。
これらの活用法を家族で話し合い、必要な分だけ準備しておくと良いでしょう。買い物の際にはこれらが大変役立ちますよ。
頭髪の手入れに欠かせないアイテム:ヘアブラシ
多くの人がついつい忘れがちなのが、ヘアブラシの存在です。その理由は、多くのリストに記載がないために気付きにくいからです。特に、男子生徒の中にはくしを使う習慣がない子もいますが、女子生徒で髪が長い場合には、このアイテムがなくてはならないものです。
ホテルに宿泊する際、ヘアブラシが備え付けられていると考えがちですが、そうではないことも少なくありません。
学校行事や団体での利用の際は、100人を超える使用者がいることになると、学校側もホテル側も管理が大変になるため、利用しない方針をとるところが多いのです。だからこそ、自分専用のヘアブラシはきちんとバッグに入れておくことが大切です。
救急用品としての絆創膏とリップクリームの携帯
学校では、絆創膏は健康室の先生や担任の教員が常備しているため、必要な時に頼めば手に入ることが多いです。しかし、緊急に必要な時に備えて、絆創膏を自分で持っておくと安心ですね。通常の学校生活においても、携帯することをお勧めします。
リップクリームに関しては、日ごろから使用している子供や特に乾燥する肌質のお子様には特に役立ちます。特に山間部やホテルなどの乾燥しやすい環境では、リップクリームが必需品となることもあります。私自身、かつてリップクリームを忘れた際に、唇が荒れてしまった経験もあります。お子様には家での使い方も教えて、準備しておくと良いでしょう。
修学旅行に便利な速乾タオルの必要性
修学旅行での宿泊生活では、速乾タオルの有用性が高まります。その主な理由は以下の二点にあります。
- 宿泊施設でドライヤーが利用できないケースがほとんどだからです。
- 大浴場の利用時間が非常に限られており、急いで身支度をしなければならないからです。
多くの学校では、ドライヤーの使用による時間のロスを避けるために、使用禁止としています。ですので、ドライヤーは持参しないようにしましょう。
加えて、バスタイムは10~15分ごとにクラスごとに交代するため(小規模な学校では異なる場合もありますが)、準備から入浴までの時間が極めて限られています。
このような状況を考慮すると、速乾性のタオルの持参を強く推奨します。快適な修学旅行のためにも、是非ともご用意ください。
カードゲームの楽しみ方(許可がある場合)
修学旅行は子どもたちにとってかけがえのない思い出作りの場となります。冒険満載の日中の活動の後、夜のわずかな自由時間には、最高の瞬間を過ごすチャンスがあり、子ども達にとって忘れがたい時間となるでしょう。
自然を満喫する林間学校は、日々のアクティビティで消耗しやすいため、子どもたちが眠りにつくのも早い傾向がありますが、修学旅行では、楽しいイベントが目白押しのため、夜遅くまで盛り上がることがたくさんあります。
このように、卒業前の大切な記憶を形作る機会として、修学旅行では子どもたちも夜更かしを楽しむ傾向があるようです。私も林間学校と修学旅行の両方に参加した経験がありますが、修学旅行では子どもたちにまだエネルギーが残っている印象が強いです(それもそのはず、1学年分の成長があるわけですからね)。
学校側で決められたルールが特になければ、カードゲームを通じて仲良しの友達と素敵な時間を共有することをおすすめします。
スペアの眼鏡を準備することの重要性
対象となるお子さんに限る話ではありますが、かつて私が勤めていた学校での出来事です。生徒たちが船旅をしている最中、湖に眼鏡を落としてしまうというハプニングが発生したのです。
こういったことから眼鏡をお持ちのお子さんは、スペアを携帯することを強くお勧めします。他人から借りることはできないアイテムですので、この点は特に注意してください。
身だしなみの必需品について
小学校6年生ともなると、自身の外見に気を使うようになるものですず。特に山や海辺では季節を問わず、太陽の光が強烈なので注意が必要です。日ごろから気をつけておきたい日焼け対策として、必ず日焼け止めを持参しましょう。
そして、ホテルによっては鏡が不足していることもしばしば。女の子が集まるお部屋だと、鏡を巡る小競り合いが起こるかもしれません。そんな時に備えて、自分専用のお気に入りの鏡を準備しておくと、夕方や朝の準備がスムーズに進みますよ。
笑顔で快適な学校生活を送るためにも、これらのアイテムは忘れずに持って行きましょう。
おすすめ欄に水族館出てきて思い出したのは、修学旅行(小学生)の時に財布忘れた事。
名前書いてあったから学校に届いた。
持ち物にはなるべく名前書いとくと帰ってくるかもって結構思った。
まぁ帰ってこない可能性もあるけど。— 紅雪 (@beniyuki1213) March 10, 2024
元先生からの重要なアドバイス
皆様に持参すべき重要なアイテムをお伝えしましたが、元先生として皆様に強くお願いしたいことが2点ございます。
一つ目は、実際に使用する場面を想定して、あらかじめ使用練習をしておくことです。
二つ目は、子ども自身に荷造りや荷物の出し入れなどの準備を行ってもらうことです。
使い慣れるための練習の重要性
新しい製品や道具は使用前に練習をしましょう。大人にとっては便利かもしれないアイテムでも、子どもたちには思ったより使用が難しいことがあります。
特に、慣れない道具は上手に操作できない事態がしばしば発生するため、修学旅行などの前には、親子でしっかりと使用方法について練習することが大切です。
修学旅行の荷造りは子供に任せて
修学旅行の準備は、荷物の詰め方や管理など、必ず子ども自らにさせてください。これは多くの親御さんが見落としがちなのですが、修学旅行では子どもたちが自分の荷物を自分で管理することが要求されます。
実際のところ、先生方が手伝ってくれるのは非常に限られた状況の時のみ。時間的に本当に余裕がなくなったときだけと考えて良いでしょう。
したがって、「ママが詰めたからどこに何があるのか分からない」「出したけどどうやってしまえばいいのかわからない」という状況にならないように、あらかじめしっかりと練習させることが大切です。
まとめ
本稿にて、多くの小学生が修学旅行であったら良かったと感じたアイテムのご紹介を行いましたが、大人と子どもでは考える持ち物が異なることもしばしばです。
小学校の修学旅行は、それぞれの人生の中で一度だけの大切な体験。自宅を離れ、仲間と共に生活を送ることで自己成長の一歩を踏み出します。
持ち物に対する親子間の充実した話し合いを通じて、事前の準備を一緒に楽しむのも素敵な時間です。修学旅行が子どもたちにとって忘れられない素晴らしい思い出となることを願っています。
ご一読いただき、心より感謝申し上げます。