例えばオフィスにおける歓送迎会を想像してみてください。
ここでは、感謝のしるしとして上長が部下に心付けを渡す場合がしばしば見受けられます。
心付けを贈るときには、通常、御祝儀袋に入れて手渡すのが一般的です。
しかしながら、その御祝儀袋に差出人の名前を書くべきなのかどうか、逡巡する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本稿では、上司が部下に心付けを渡す際の名前の記載の要否、表書きや裏書きの適切な方法、またふさわしい金額など、エチケットや詳細な手順について解説していきます。
寸志に使う封筒の選択とマナーについて
封筒にも様々なデザインがあり、寸志を渡す際にどの封筒を使うかは重要なポイントですね。シンプルなものから、お洒落な封筒まで多岐に渡る選択肢があります。寸志専用の熨斗袋には中袋が付いており、金額を隠せる利点があることも覚えておきましょう。この記事では、熨斗袋や通常の封筒の選び方と、その書き方について説明いたします。寸志には「花結び」の水引を選ぶのがスタンダードですが、「赤棒熨斗袋」も選択肢の一つです。手に入りやすく、シンプルな白い封筒を用いることも可能です。その際は適切な表書きに気をつけましょう。
封筒の表書きのポイント
見た目が美しい濃い色のサインペンや筆ペンで表書きをするのが通例です。熨斗袋であれば、水引の中央、普通の封筒では中央上部に「寸志」と記載します。上司など目上の方への場合は、「御礼」や「御挨拶」のような感謝の言葉を添えると好感が持てます。名前は「寸志」という文字の下部または封筒の上部中央に記入するのが一般的です。企業から送る場合は、個人名の隣に企業名も小さく記す場合があります。また、物品を贈る際も熨斗袋に準じた表書きを施します。
用意してた封筒に入らなかったのでちょいデカ封筒買ってきた。
寸志の文字は初めて書くぞ。緊張する。 pic.twitter.com/6yQQpsJApP
— Yamashin (@Yamachine_kai) December 9, 2023
裏書きの基本的な方法
白い封筒を使用する場合は、裏面に必ず住所と氏名を記入しましょう。中袋がある場合には、それの中央部に住所と名前を記します。中袋がない場合には封筒の裏側への記入が求められます。相手に何も期待せず寸志を贈るなら、金額欄は空白にした方が好印象です。ポチ袋を利用する際には、「心付け」と表記し、裏面に贈る人の名前を書くと丁寧です。オシャレなポチ袋を選ぶことで、さらに良い印象を与えることができます。例えば結婚式でのご祝儀袋には、差し出す側の名前も忘れずに記入する必要があります。
寸志の適切な金額設定
寸志の適正な金額はシーンに応じて様々です。目安としては、1,000円から10,000円程度が通例とされています。贈与者の社会的な地位や双方の関係性に応じて、適当な額は異なるでしょう。ここでは、異なる状況で考慮すべき金額帯を解説します。
例えば、職場の歓迎会や慰労会では、序列が下の者は会費程度、上司ならやや多めに寸志を用意するのが慣習です。結婚式での心付けには、3,000円から10,000円の範囲が相場となっています。ホテルや旅館でのサービスに寸志を考える際、多くの場合既にサービス料が含まれているため、必須ではありません。渡すとしても、1,000円から3,000円程度が適当ですが、場所によっては寸志が受け付けられていないこともあるため、前もって確認することが肝要です。
ボーナス(寸志)いくらかな〜今回ちょっと多めって言ってたから期待してるんだけど✨✨✨✨
— ひとり (@hitori0v0) December 8, 2016
寸志を贈る際の基本マナー
寸志を手渡す際に明確なルールは特に存在しませんが、渡すタイミングには注意が必要です。適したタイミングについていくつかのヒントをご紹介しましょう。
歓送迎会や慰労会での寸志の手渡し方
歓迎会や慰労会においては、イベントの開始前に主催者へ直接寸志を渡すのが最善です。途中や終了時に渡すと管理が困難になる可能性があるため、開始前に行うと良いです。
結婚式での寸志の手渡し方
結婚式の場合、シーンが始まる前や準備が行われている間に関係者に寸志を渡すのが望ましいです。この方法により、スムーズに感謝の意を伝えることが可能です。複数名で贈る場合には、封筒に「○○一同」や「有志一同」と記して、具体的な名前を別の紙に記載することが一般的に行われます。
寸志についての解説:正しい贈り方を学ぼう
寸志とは、特別な日や感謝の意を示す際に手渡される小ぶりの贈り物や金銭のことです。この言葉は、「心付け」や「お気持ち」と同義で使われることがありますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。多くの場合、現金や小さなギフトがこれに該当します。
寸志を贈る際には、伝統的に白い封筒を使用しますが、最近はさまざまなお店で特別な熨斗付きの袋を簡単に購入できるため、その使用も推奨されています。物を贈るときは、「寸志」と明記された熨斗を添えることが一般的です。この風習は、日本の職場では特に良く見られるものです。例えば、歓送迎会の時などに、上司が部下へ寸志を手渡すことは一般的な光景です。
寸志を送る時の注意点
寸志は通常、社会的に上位の人が下位の人へと贈るものであります。もし役職等で下の位置にある人が上の人へ寸志を渡す際には、「寸志」という言葉は避けた方がよく、「感謝」や「ご挨拶」、「謝礼」といった表現を選ぶべきです。寸志という語には上下関係を暗示するニュアンスが含まれているため、上司など目上の人へ使う際には注意が必要です。
挨拶状のマナー:寸志を贈る際の基本知識
寸志をお贈りする場合、封筒の表記や贈る礼儀についてご紹介しました。寸志やのし袋への自身の名前の明記は、忘れてはならない重要な点です。また、「寸志」という言葉は一般的に、目上の方から目下の方へ贈る際に用いますね。贈る側としてはこれらの知識を押さえ、敬意を込めた態度で手渡しましょう。