身近にあるお弁当やサイドディッシュを入れる容器に使われている発泡スチロール。レンジで温める際に、「これって溶けるかな?」と不安に思った経験はありませんか? もし溶けてしまったら、食品に有害な化学物質が混入し健康に害を及ぼすかもしれません。そんな心配をなくすためにも、このテーマについて徹底解説します。是非とも、電子レンジ使用時のリスク把握の参考にしてください。
電子レンジでの発泡スチロール容器の使い方について
スーパーで手に入れた惣菜などを、容器ごと電子レンジで温めたい時、発泡スチロール製の容器を利用することは適切なのでしょうか?発泡スチロールの安全性について疑問を抱えつつ、お料理の際の正しい利用法を学び、安全に電子レンジを使用しましょう。
発泡スチロールは通常の加熱には不向き
発泡スチロールはポリスチレンという化学物質から作られています。一定の温度以上で加熱すると変形や収縮を起こし、不快な臭いが発生する場合があります。そのため、電子レンジでの調理や加熱には使用を避け、代わりに耐熱性の高いガラス製や陶磁器製の容器を使用することを推奨します。
この前電子レンジに発泡スチロールのトレーごと入れたら怒られました。ダメなんだ……初めて知ったよ……
— 光合成☀️ひせつ (@taiyou33_hisetu) June 14, 2024
解凍モードを使用すれば問題なし
電子レンジでの加熱は避けるべきですが、解凍モードであれば発泡スチロール容器を使用できます。解凍モードは低温で動作するため、容器が変形する心配が少ないのです。そのため、冷凍しておいた食品を発泡スチロール容器のまま電子レンジで解凍することが可能です。
発泡スチロール容器の実際の使用例
発泡スチロール製のパックが我々の日常生活に浸透してきています。
具体的には、ファストフードチェーンやスーパーマーケットの食品トレイに頻繁に用いられているのを目にできます。
また、吉野家やすき家といった牛丼チェーン店のテイクアウト容器としても、よくこの軽量で保温効果に優れた発泡スチロールパックが使用されています。
その結果、購入した食品を家まで温かい状態で持ち帰ることができるのです。さらに、「ほっともっと」のような持ち帰り専門のお店でも採用され、使い捨てが容易でコストパフォーマンスにも優れているため、多くの店舗でこのタイプの容器への切り替えが進んでいるのが現状です。
レンジで加熱した発泡スチロールの変化と安全性
この記事を読めば、熱による発泡スチロールの変化やそれが私たちの食品安全および健康に与える影響について理解が深まるでしょう。適切な扱い方を身に着け、誤った使用を回避するためのポイントをしっかり押さえてください。
発泡スチロールの収縮問題
発泡スチロール製の容器は熱耐性があまり高くありません。耐熱温度は約80℃から90℃で、それを超えると容器は収縮してしまいます。形状が変わったり、穴が開いたりすることさえあります。電子レンジで加熱すると、熱によって発泡スチロールが柔らかくなり収縮するのです。しかし、カップ麺などの容器は耐熱性に優れた特殊な発泡スチロールを使用し、さらに耐熱性プラスチックであるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)でコーティングされています。これにより、高温の湯を注いでも形状が変わることはありません。
ご飯食べようと思って、スーパーで買ってきた焼豚をレンジでちんしたら温め過ぎて発泡スチロールのトレイが溶けて穴が空いて灼熱の煮汁が足にかかって死んだ
— 岡田ぎでお (@okadagiga) February 28, 2024
人体への影響に関する情報
発泡スチロールは主に空気でできており、実はエコな素材なのです。万が一飲み込んでしまったとしても、消化や分解が可能なので安心ですし、環境ホルモンなどの有害物質は含まれていません。曲がったり穴が開いたりしても有害な成分が漏れ出すわけではないので、全体としては非常に安全な材料といえます。
発泡スチロール片の誤飲してしまった場合
電子レンジ加熱により小さな発泡スチロール片が生じた場合、それを知らずに誤って飲み込んでしまうことがあるかもしれません。しかし心配は無用です。誤って飲み込んだ発泡スチロールもプラスチックと同じく、胃液で溶けずに体外に排出されるので、ごく僅かな誤飲であれば体に影響はほとんどありません。緊急で医療機関に駆け込む必要はないのです。
電子レンジに付着した発泡スチロールの掃除方法
レンジで温めた発泡スチロール容器が、柔らかくなって縮むと内部にへばりついてしまうことがあります。万が一そんなことになった場合、どのように除去するのか、掃除に必要なもの、および注意点を含め、対処法をお伝えします。発泡スチロールから発せられる異臭を防ぐためにも、以下の方法で迅速に対応しましょう。
ぬるま湯を使ってソフトに拭き取る
レンジ内に付いた発泡スチロールは、ぬるま湯を染み込ませた柔らかい布やスポンジで優しく拭くことで簡単に取れます。使用する前には必ず電子レンジのプラグを抜き、安全な状態で作業を行いましょう。熱すぎるお湯は避け、手が触れられる程度の温度で作業すると良いでしょう。温水を布に吸わせ、何度か拭くうちに発泡スチロールが落ちてきます。時間が経ち硬化してしまった場合、温水を布に含ませたものをしばらく当てておくと柔らかくなります。
重曹水で汚れをスッキリ落とす
家に重曹がある場合は、重曹水を使って拭き取るのがおすすめです。耐熱性のボウルに水200mlと重曹大さじ1を混ぜ、500~600Wの電力で5分程度加熱してください。その後、蒸気を30分近く放置し、発泡スチロールの付着をゆるめたり油汚れを落とすのに役立ちます。その後、布巾でサッと内部を拭き取りましょう。古い汚れは重曹水に浸したキッチンペーパーでゴシゴシしたり、それをしばらく放置することで取り除けます。
溶剤使用でピカピカに
非常に強固に固着した汚れには、ビニール溶剤などのクリーナーの活用が有効です。発泡スチロールは大半が空気なので、アセトンを含むネイル除光液などで溶かすことができます。他の溶剤を使用する場合も同様ですが、それら特有のにおいには十分配慮し、中性洗剤でしっかりと拭き取ってください。作業終了後は室内を十分に換気してください。
食品を発泡スチロール容器から別の容器への移し替え
発泡スチロール製の容器から適切な容器にきちんと移し替えましょう。電子レンジに入れる際は、使用する容器が電子レンジに対応しているかを確認することが非常に重要です。次のアイテムは電子レンジでの使用が禁止されているため、絶対に使用しないでください。
- アルミホイル
- 金属製の容器
- ペットボトル
- ビニール袋
- 木製の容器
テイクアウト食品を温める時は、発泡スチロールから電子レンジに適した材質の容器に移し替えてください。以下は電子レンジで安心して使用できる容器の材質についてです:
- 耐熱ガラス製容器:高耐熱性で化学反応が少なく、内容物が見えて扱いやすいです。
- 陶磁器製品:熱が均一に伝わり、保温性が高いです。
- レンジ対応プラスチック容器:耐熱性があり、軽量で取り扱いが楽です。何度も洗って使用可能です。
- クッキングシート:耐高温・耐油性があり、繰り返しの使用が可能です。物がくっつかず、直接加熱もできます。
耐熱ガラス製の容器は、高温に強く、透明なため内容物を簡単に確認できます。オーブンや冷蔵庫での使用も可能で、非常に多機能です。陶磁器製の器は、熱をゆっくりと均一に伝えて焼きムラを少なくし、保温性にも優れています。また、レンジ対応のプラスチック容器は、耐熱性に優れ、軽量で扱いやすいだけでなく、ほとんどが食洗機対応で使い勝手が良いです。これらが手元にない場合は、クッキングシートを利用することもおすすめです。食品が電子レンジに付着するのを防ぎ、使い捨てなので掃除が簡単です。
特殊加工された発泡スチロール容器の場合は、電子レンジで使用できることもあります。底や側面に「PP」マークのあるポリプロピレンでコーティングされた製品は、確認してから使用してみてください。これで電子レンジを使用する際も、安心して食品を温めることができます。
レンジ使用時の発泡スチロールは危険
電子レンジでの発泡スチロール使用は止めた方が良いです!このテキストを通して、発泡スチロールを電子レンジで加熱するリスクについて徹底解説します。レンジ加熱は確かに便利なのですが、発泡スチロールで行うのはリスクが伴います。
スーパーで購入したお弁当やお惣菜を温める際には、耐熱性のあるガラスか専用プラスチック容器に移してから加熱しましょう。
もし発泡スチロールの容器が溶けてレンジ内にくっついてしまった場合は、お湯や重曹水でさっと拭きとれば綺麗になります。
万が一、発泡スチロールの破片を口にしてしまっても、体内で分解されずに排出されますが、もちろん飲み込まないほうが無難です。
電子レンジを使って食品を温める際には、事前に容器の耐熱性を確かめ、美味しく安全に食事を楽しむようにしましょう。
発泡スチロールの電子レンジ使用についてのまとめ
最後に、この内容をサッと整理しておきましょう。 以下の点に注意して、記憶にとどめておきましょう。
- 一般的にお弁当の容器として利用されている発泡スチロール素材は、電子レンジで加熱すると溶けてしまい形が変わるため、温める用途には適していないことがあります。
- 溶け出した発泡スチロールが体に与える害はなく、万が一体内に入ったとしても自然と排出されるので心配無用です。
- 電子レンジで加熱する際には、ガラスや陶器などの耐熱性のある容器に入れ替えて行うのが賢明です。
以上の点を押さえておけば、お弁当を電子レンジで安全かつ美味しく温めることができますね。 当ブログでは、読者の皆様が興味を持っている「こんなこと気になる」と思う情報を質の高い記事でお伝えしていきますので、他の記事もぜひご覧ください。